胃内視鏡検査、大腸内視鏡検査供に苦しくない検査を提供したいと考えていますので、禁忌でない限り鎮痛・鎮静剤を使用した検査を行っています。車やバイクを運転することは危険ですので(場合によっては自転車も)、公共交通機関あるいはご家族の車にてご来院ください。また、検査後の腹部膨満感をなくすため、空気ではなく二酸化炭素(CO2)を使用しています。
大腸内視鏡検査とは
大腸内視鏡検査というのは、下部消化管内視鏡検査というもので、肛門から内視鏡を挿入し、盲腸から直腸に至る大腸を全体の内腔を検査するものです。胃内視鏡検査同様、先進の下部内視鏡機器(FUJIFILM社製 LASEREO 7000システム)の画像強調機能(BLI(Blue LASER Imaging)画像、LCI(Linked Color Imaging)画像)や拡大機能を用い、悪性か良性か、悪性(がん)だった場合はその深さや広がりを診断し、治療方針を決めていきます。同時に、小さなポリープは、初期の大腸がんを切除することも可能となっています。
現在日本では、大腸がんの増加が顕著になっています。これは食生活が欧米化したことなどが原因にあげられます。近年の統計では死亡数の多いがんの部位で、大腸がんは女性が1位、男性が3位となっており、特に女性に多いがんとなっています。大腸内視鏡検査は、この大腸がんの診断および治療には、非常に有効なものとなっています。
大腸ポリープは、その多くが腺腫性ポリープといわれ、基本的には良性のものですが、大腸がんの多くは、この腺腫性ポリープの状態を経てがん化したものです。腺腫性のポリープが発見されたときは、良性のうちに切除する事で、大腸がんを予防することにつながります。ポリープには自覚症状はありませんので、定期的に大腸内視鏡検査を行うことをお勧めします。
こんな時は大腸内視鏡検査をお勧めします。
- 便潜血反応で「陽性」との診断を受けた
- 血便がみられている
- 便秘や下痢などの便通異常の症状がある
- 腹痛、腹部膨満感がある
- 貧血を指摘されている
- よく顔色が悪いと言われる
- 急激な体重減少があった
- 以下のような方は、症状が無くても定期的な大腸内視鏡検査をお勧めします
- 大腸ポリープや大腸がんを治療した経験がある
- 炎症性大腸炎と診断されている
- 糖尿病の患者さん
大腸内視鏡検査では、以下のような疾患が発見される場合があります。
- 大腸ポリープ
- 大腸がん
- 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)
- 大腸憩室症
- 虚血性腸炎
大腸内視鏡検査も、下剤を飲んでいただき腸内をきれいにしておくなど、事前の準備が必要です。また、事前の診察が必要となりますので、まずは予約していただき、その際に詳細な流れをご説明いたします。医師および看護師が丁寧に説明いたしますので、疑問点があればご遠慮なくお問い合わせください。また服用中の薬があればお知らせください。
- 抗凝固薬や抗血小板薬(血液をさらさらにする薬)を内服している方は、検査予約時にお知らせください。また糖尿病で血糖降下薬の内服や、インスリンの皮下注射をされている方は、当日は内服、注射をしないようにします。
大腸内視鏡検査の流れ
- 検査前日まで
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- 検査予定日の3日前から繊維を多く含む食べ物(※)をなるべく避け、水分を多めにとるようにしてください。
- 前日は検査予約時に購入していただく検査食をとるようにしてください。(検査食以外の食事はなるべくとらないでください。お水、お茶などは飲んで構いません)
- 検査予約時にお渡しする下剤を就寝前に内服してください。
- アルコールはなるべく控えるようにしてください。
- 3日前からは以下のような食べ物をお控えください。/タケノコ、トウモロコシ、ネギ、パイナップルなどの繊維の硬いもの。ゴマ、ピーナッツ、イチゴ、トマトなどの粒状のもの。ミカン、トマトの薄皮。わかめ、ヒジキ、海苔などの海藻類。シイタケ、エノキ、シメジなどのキノコ類。
- 検査当日
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- 朝食はとらないようにしてください。お水、お茶などは飲んで構いません(ただし無糖のもの)。
- 朝、下剤を飲んでいただき、その後、水またはお茶を飲んで(ただし無糖のもの)、排便し、腸内をきれいな状態にしていただきます。
- 服用している薬があれば、当日朝6時までに服用してください。
検査自体の流れ
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1. 問診後、点滴開始
検査着に着替えて、ベッド(ストレッチャー)に横になります。脱水予防のため点滴を行いながら検査を行います。
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2.鎮静剤(セデーション)の投与
前処置における準備が整ったら、検査室へストレッチャーごと異動します。検査室に入室後、鎮静剤を投与します。
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3.検査開始
内視鏡を肛門から挿入していきます(検査の開始)。検査中は体の向きを変えたり、お腹を押さえることがあります。また腸管を膨らませることもあります。
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4.腸管内部を観察
回盲部から内視鏡を引き抜きながら、結腸や直腸などの内腔に病変がないかを調べます。CO2で腸管を膨らませながら観察します。
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5.生検およびポリープ切除
疑わしい組織があった場合は内視鏡で一部を採取し、顕微鏡で詳細を調べていきます(生検)。またポリープがあり、切除可能な場合は切除します。
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6.検査終了
大腸の内腔を一通り観察すれば検査は終了です。検査時間は、処置がなければ15分程度です。
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7.検査終了後
ストレッチャーごとリカバリー室へ異動し30~60分休んでもらいます。その後、医師より検査結果の説明があります(鎮静剤を使用しない場合はリカバリールームで休む必要はありません)。
- 検査後の注意点について
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- 休息後、検査後の注意事項をお伝えします。行った処置によって内容が異なります。